Amazon Original 映画『次元大介』の話をします。ツイッターでは人目もありおとなしめ(と自分では思っている)の感想を一つ二つ三つほど呟きましたがここはほぼ自分しか見ていないので忖度なしネタバレありで書いています。他シリーズに関して口汚くなる部分にはこのようにぼかしをかけておくのでお気を付けください。マウスオーバー・タップで表示されます。
Amazon Original 映画『次元大介』とは
愛銃コンバットマグナムに違和感を覚えた次元大介は世界一のガンスミス(銃職人)を求めて日本にやってくる。辿り着いた先に待っていたのはさびれた時計店を営む女性・千春だった。そこへ銃を求めて訪ねて来る少女・オト。徐々に明かされるオトの悲しい過去と彼女を狙う組織の存在。 組織に連れ去れたオトを助け出すべく、次元は孤独な戦いに身を投じる。
だそうです。主演は玉鉄。おぐルに引き続き次元役です。私は現時点では一度視聴(+この感想書くのにピンポイントで見直し)、予告のティザー映像はみましたが各種インタビューなどの記事は読んでいません。ほかの方の感想も極力目に入れてない。これ書き終わったら見て回ろうかと。以下ネタバレあるので続きはたたみます。
先に言うけどすごい満足でした。最推し主役じゃなかったので期待がそこまで高くなかったのもあるかも?
多分私ってルパン三世って作品に関してはキャラが最重要なんだと思った。この作品の次元の解釈が個人的にはほぼドンピシャだった。ヴィジュアルは正直脳内補正しています。予告映像観たときアレ…?顔パンパンやな…でも本編では絞ってるんでしょ…?と思ったけどそのままだった。おぐルの時そんなんじゃなかったやんどうした?って思ったけどおぐルは2014年公開、もう10年近く経つんだ…歳取るはずだよ俺もお前も(誰)まぁ私の中でのトップオブ3次元といえばスマスマの斎藤洋介さんなので(だから何って話なんですけど
何がよかったか
まずこれ見終わったときに思ったのは『ルパン三世の相棒・次元大介』の物語ではなく『一人の男・次元大介』を描こうとした物語だったんだなと。ルも五も名前すら出てこず次という男を丁寧に描写しようとしてた、そこがよかった。個人的には近年の公式の「俺が一番付き合い長いんだ不二子に取られてたまるかよ😠」「某たちは…ルパンの何なんだろう…🥺」とか濡れ落ち葉みたいなジメジメした関係性の描写や「俺は…盗めたか?」「…はい///(とは言ってなかったかもしれない)」とかお花畑で定吉二人きりみたいな関係性の描写は公式でやるな~~~~💢いらんいらん💢💢💢と思っていたので(分厚いフィルターによりゆがみがあるのは自覚してはいます)そこをばっさり切り捨ててたのは好感があった。あとはほら、ここでル匂わせあったらそれはもう「ルパン三世」って作品の一つになってしまうのでどうしてもこう…次元ばっかり優遇されてていいな…って気持ちになってしまうと思って(実際告知だけの時はそう思ってたし)、本編観てそういう気持ちにならなくて済んだのはよかった。
テンポが悪い?
流し見してた感想で「テンポが悪くて見てられなかった」みたいのがあった気がしますが個人的には気にならなかったかな~ところどころ説明端折りすぎちゃう?とか今時系列どうなってるの、このシーンはリアルタイムそれとも回想的なもの?って感じにはなったけど全然わからないってことはなかった。テンポ悪かったなーと思った方は多分普段から上質の作品ばかり観てるのでしょう…。私?最近見た邦画はKappei カッペイです(悪くなかったよ。
脇を固めるキャラもよかったよ
- オトちゃん
… 可愛い💯ルパンに出てくる子供ってどこかあんまり好きになれない部分があるんだけどこの子はそういうのなかった。 - アデル
… 圧倒的美!車椅子でのアクション良かった~!あそこまでやって最後あっさりだったのちょっと謎だったけど多分疲れちゃったんだね。 - 川島(かくれんぼう)
… 謎の男、こいつの千変万化世界観から浮いてない?と思ったけどこのごった煮感はル作品らしいっちゃらしいのか…。 - 千春(ガンスミス)
… みんな大好きかくしゃくヤンチャBBA。説教臭くもなく(重要)しめるとこはしめる、よかった。 - 情報屋
… 賭博好きが原因で業界を追放された元プロ棋士という設定も、一筋縄ではいかない食わせ者なオーラの圧もめちゃくちゃ好き。 - 瑠璃
… 可愛い。面倒見がよい姉御肌と思いきやどこか影があるのがよい。さっさと川島と泥魚街離れたらよかったね…
おせっかい焼きな商店街の面々もよかった。
世界観…というか舞台
泥魚街。開発が頓挫した地区にアウトローたちが集まり形成された、日本であって日本でない街。当然治安は悪い。安っぽいネオンが照らす狭く入り組んだ道に人々がごった返し、さらに奥へ進むとアジアの夜市をもっと殺伐とさせた感じの屋台やらが並ぶエリアへ。無国籍感。こういうの刺さらん奴いるゥ~!?いねぇよなぁ~!!?(自問自答)ルパン作品ぽくはないんだけど、いいんだよルパンがいない次元は泥臭ぇんだよ。お似合いだよ(失礼
タクシー運転手の田中さんから逃れ(?)た先に泰風さんがいたのでここで一気にVシネ度が高まった。ていうか強者のオーラビンビン過ぎてこの人よりこの次元って強いの…??という気持ちがちらっとよぎった。あとこうやってマジマジ見るとやっぱお兄さんに似てるとこあるな泰風さん。
この作品の次元(及び他キャラの絡み)のここが好き
行動や仕草にそんな違和感なかったのがうれしい。脳内で素直にコバキヨ次元に置き換えて想像できる。作り手的にそれがうれしいかは知らんけど…
タクシーで「禁煙です、代わりにどうぞ」って出された飴をふてくされながらも大量にわしづかみしちゃうとことか(その飴ものちに有効?活用されててよかった)、成り行きで子供助けたものの意思疎通がうまくできなくてイライラしちゃうとことか、最初の銃職人の前での射撃もよかった、あ~そういえば射撃の名手なんだよなと再実感できた。なんだと思ってたの?
愛銃へのこだわりや理由もあ~なるほど、らしいな~と思わされた。多分この人初めての女も忘れられないタイプだわ。千春ちゃんは「声をもっとちゃんと聴け」というスピリチュアルなアドバイスを与えたのちに「パーツとっかえとっかえして使ってきてもう違う銃だよ」という現実的なことを言うから笑ってしまったw
情報屋とのくだりでさらなる情報を求めて賭けに出るところ。好き。一瞬「これで勝ったらやだな~」と思ったけどそうならなかったのでよかった。ルなら勝ってた。スマートにいかないところが次元らしいしそれでもちゃんと朴訥と次につなげていくのが次元らしいなって。その後情報屋に「私があなたの情報を売りました」って告げられても「それが仕事だろ」って返すところが💮、アウトロー(強)~~~っ!
オトちゃんや商店街の面々との絡みではちょこちょこコミカルな感じだったのも好き。食事シーンは多分オトちゃんがあまりに食が細い(食べれない?)からわざと大げさにがっついて見せた部分もあると思う、ルだったらジョークも交えながら柔らかく促すだろうし、五とか銭だったら「食べることは生きること~」みたいに諭しつつ食えって直球で言うだろうし、でもそういうのができない不器用さがある次元。愛おしいですね。
オトちゃんの過去を知った次元、ここで「涙見せたらやだな~」って思ったけどそうならなかったのでよかった。あれは悲しみと怒りがごっちゃになった表情。その感情を持て余してまごまご(?)するところもよかった。怒りや憤りのほうが大きかったんだと思うけどその勢いで突撃はさ~~~~あまりにも勢いづきすぎでは?😅こいのぼりにほぼ身一つで向かったのさすがに無謀やろって…せめてランボーくらいの装備していったほうがよかったよね、でも次元は平気です、主役なので!マシンガンもった軍勢相手に短銃と体術で互角以上に渡り合います。ここのアクションかっこよかった、この次元が!?こんなに機敏に!?(失礼)遮蔽物で銃撃かわしつつタバコで一服もさぁ…煙で居場所バレるんじゃない?って思うけどいいんです次元だから。強者の余裕。かっこよさ重視。ほぼ無傷で中ボスステージへ。この中ボス川島って男は本当に謎の男なんですけど…「かくれんぼう」ってワードチョイスの可愛さがモンキーパンチっぽくて好き、そういえばカメオ出演されてましたね㊗️次元襲撃で泥魚街がバタバタになった時に現店主が先代の写真ひっつかんで隠れたの見てそれは大切に違いないと大喜びしてしまいました(脱線)。普段慇懃無礼で何考えてるかわからない川島が素の感情をむき出すのは惚れた女の前と次元と一対一で対峙した時だけ!!!これはもうさぁ~~~~~~~そういうことですよ。どういうことだ。「帰らなきゃいけねぇんだよ」悲痛な叫びでしたね。無駄な厚みを出すな。好きになっちゃう。
勝ち進み、上のフロアへ。秋山なんで居たの?コイツ金と口だけ出すタイプだと思ってた、意外に自ら動く奴だったんだな。モブ子供が遺体袋に入って転がされてたのギュってなった、気にも留めないように見える次元、そういう世界で生きてる男なんだなぁ。自分の信念に従って動いても手の届く範囲でしか救えないのも世界を変えられないのも理解ってるんだ…
アデルはあれだけのことしておいて負け確の勝負挑むのはどうして?と思ったけど多分野望をかなえようとしつつだんだんそれに疲れてきた自分もいて死に場も探してたんじゃないかな~と思った、次元大介という男は幕引きに値する人間だったんでしょね。早撃ちを得意とする身として勝負してみたい相手でもあったんだろう。そう考えるとそれでもギリギリまで野望のためにその辺の子供さらってきてあれこれした挙句身勝手に散っていくの、一級ヴィランである。
最後は千春ちゃんがオトちゃんを引き取って大団円、ルパンの堅気がらみのお話ってこのあとどうなるのかな…って微妙に心配なものが多い気がするけど千春ちゃんの安心感半端ないからそういうのもなくてよかった。ラストのあれは前述の理由で蛇足かなぁとも思ったけどサービスシーンですね。「さぁ、次の仕事だ!」感が強くて余韻飛んじゃった気もするけど次元の視点からしたらそんなもんなのかもしれない、こうなんか…いちいち余韻に浸ってたらこの世界やってけないぜというか。「俺に涙は似合わない」よりか全然よかったよね。
初見時の感想というか妄想か…は以上です。ここまで読んでくださった方がいればありがとうございました。よろしければあなたのご意見も下のボタンからお聞かせください(画像ボタンはクリックするだけです)。